竹澤順子・吉田直樹 二人展 DM
会場が福井県立音楽堂であることから 展覧会名を「二重奏」−墨と三原色− としました。
二重奏 −墨と三原色− 展
2009.11/15-28 ハーモニーホールふくい
アクリル絵の具を使って絵を描くようになって10年近くになります。それまでは学生時代に専攻した油絵を「自分の追求する表現方法だ」とかたくなに信じて制作を続けてきました。そんな私が、美術教師として授業を通じて様々な画材に触れ、発色の良さと扱いやすさでアクリルを使うことが多くなりいつしか自分に一番相性の良い画材となりました。
アクリルを使うようになってからも、少なくとも私の意識の上では以前の油彩の頃と何ら変化はありませんでしたが、支持体をカンバスから紙に替えたことが表現の転機になりました。乱暴ですが一言で言うなら、画面全体に絵の具を置き、光や空気までも「描いていく」油彩的な表現から、紙の白が光であり空気である「描かない」表現、への変化でした。白い部分は「描かない」、明るい部分は「重ねない」というわけです。
今回出展したカラーの作品は、すべて3色の絵の具(シアン、マゼンタ、イエロー)を何度も重ねて色味や質感を出しています。パソコンのプリンタと同じですね。
紙に描くようになってからは「墨」の作品にも自然と興味を持つようになりました。特に現代書の世界は、書道にまったく門外漢である私が、作品に触れるたびにその余白の緊張感、掠れや滲み、墨そのものの見せ方に強く惹かれ、私の表現の一つの方向性を示してくれているようにも思います。そして竹澤順子さんです。彼女の作品は毎回触れるたびに驚きと発見を私にもたらしてくれています。今回は私からのラブコールを快諾くださり今展の実現となりました。
今回の新作は、竹澤さんの書(墨)を意識した作品、私の3人の子供たちそれぞれとの競作、など「二重奏」を意識して制作しました。
二人の「音色」の違いをお楽しみ頂ければ幸いです。
ご あ い さ つ
このたび 県立音楽堂展示ギャラリーにて 以前より作品を通して交流があった 現代書に取り組んでいる竹澤順子と造形作家の吉田直樹とが作品展を開催する運びとなりました。
音楽堂という場所での二人展ということから 展覧会名を「二重奏」~墨と三原色~としそれぞれが「二重奏」を意識した作品制作を進めてまいりました。
美術館や画廊とは違い 音楽関係の方々が多く集うこの音楽堂という場所を使わせていただくことで 我々も予測しなかった展示空間や内容になればと 不安まじりの期待でこの日を迎えた次第です。
墨とアクリル絵の具のコラボレーションをお楽しみいただければ幸いです。
2009年11月
竹澤順子・吉田直樹
竹澤さんの作品群。実物の作品に向かうといつまでも思索に耽ることができる、それほど魅力的な墨色です。
一階のホールはコンサートがある時間になると、ご覧のような人だかり。
2階ギャラリーとのこのギャップ!
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