永遠の一瞬
2006 900mm×1800mm 紙にアクリル
次女の一歳の誕生日に撮った写真2枚。
強い日差しの中で存在する「静と動」「死と生」を対比しました。
アクリルで絵を描くようになって10年程になります。それまでは大学で専攻した油彩を「自分の追求する表現方法だ」とかたくなに信じて制作を続けてきました。それが美術教師として授業を通じ様々な画材に触れるうちに、発色の良さと扱いやすさでアクリルを使うことが多くなり、いつしか自分に一番相性の良い画材となっていました。
ただ、描き方はそれまでと変わらず、アクリルを「速乾性の油絵具」のように使っていたのですが、支持体をキャンバスから紙に替えたことが表現の転機につながりました。乱暴な言い方をすれば、画面全体に絵の具を置き、光や空気までも「描いていく」西洋絵画的な表現から、紙の白が光であり空気でもある「描かない」東洋的な表現、への変化でした。白い部分は「描かない」、明るい部分は「重ねない」というわけです。
ここ数年は、3原色のアクリル(シアン、マゼンタ、イエロー)を幾度も紙に重ねて色味や調子を出しています。インクジェットプリンタと同じですね。
(2010年4月3日版 福井新聞「龍門を登る」原稿)
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